金融/投資機関による自然関連情報開示促進と
国際標準化を前提としたネイチャーフットプリントの開発と実証事業
ABOUT OUR PROJECT
プロジェクト概要
2024年10月、早稲田大学および株式会社価値総合研究所を代表機関として「金融/投資機関による自然関連情報開示促進と国際標準化を前提としたネイチャーフットプリントの開発と実証事業」が始動しました。本事業では、自然に注目したLCA(ライフサイクルアセスメント)の影響評価手法を開発し、活用方法を金融機関、国内事業者と連携しながら実証するとともに、その有用性を世界に向けて発信していきます。
NEWS
新着情報
お知らせ
2025.03.06
HPを公開しました
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2025.03.06
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ABOUT
プロジェクトについて
MESSAGE
代表挨拶
ネイチャーポジティブ、炭素中立や循環経済を志向して、事業活動におけるサプライチェーン全体の環境負荷の削減とその開示が求められています。
ネイチャーフットプリントの開発によって、これまでのLCA手法では不足していた観点が補われ、生物種や地域の特徴を詳細に反映した評価が可能となり、国内企業はビジネスと自然の接点をより正確に把握できるようになります。また、サプライチェーン全体における自然に対する依存と影響を評価するためには、生物多様性フットプリントと併せて生態系サービスフットプリントを用いる必要がありますが、多くのLCA手法でほとんど考慮されてこなかった生態系サービスの量的な側面の評価も統合した点で、ネイチャーフットプリントには技術的な優位性があると考えています。
生物多様性への配慮が求められる傾向が強まる金融業界にとっても、この自然への依存と影響の統合的な定量分析を可能にするネイチャーフットプリントは有効と考えられ、例えば自然資本への依存度の高い企業等との取引が大きい金融機関からの活用が進むことが期待されます。
ネイチャーフットプリントの普及を通じて、国内企業の環境負荷低減に資する取組が可視化されることで、ネイチャーポジティブな取組が適切に評価される社会の実現を目指してまいります。
自然資本の情報開示が世界の潮流となるなかで、「指標」に何を採用し、どのようにして算定評価するかが大きな課題となっています。これまでに数多くの生態系を評価するための手法が提案されていますが、バリューチェーンの考慮が不十分であったり、個別の企業や製品を対象にした分析ができないなどの課題があります。
本研究ではLCA(ライフサイクルアセスメント)の影響評価手法の一つであるLIME(Life cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling)を発展させたネイチャーフットプリントの影響評価手法を開発しています。陸域・水域生態系を含む10,000種を対象とした絶滅リスクの評価や、15種のバイオームを対象にした生態系サービスの評価を行います。気候変動、水消費、土地利用、資源消費など複数の影響を網羅しつつ、最終的には評価結果を経済指標で表します。
開発した評価手法は、国内外で活用されているLCAソフトウェアに実装して、実務者が簡便に利用できる環境を構築します。 ライフサイクルを考慮しつつ地域解像度を高めた分析を可能にするネイチャーフットプリントは、企業における戦略策定や国・自治体の環境政策、金融機関による投融資ためのツールなど様々な場面で活用されることが期待されます。
企業価値の評価に、環境、社会、ガバナンスなどの非財務情報を統合するESG金融の主流化が進むのに合わせて、評価対象となるテーマも拡大しています。なかでも大きな関心を寄せられているのが自然資本です。自然資本を投入資本の一つに位置づけ、企業の価値創造プロセス評価の一環として活用していくには、情報開示の充実が欠かせません。TNFDなどのフレームワークが整備されたのを受け、現在、これを補完する様々なツール開発への挑戦が行われています。ネイチャーフットプリントの開発は、その代表格といえるでしょう。バリューチェーン全体にわたる自然資本への依存度とインパクトを体系化する評価手法は、金融機関による非財務情報の評価に新たな機会をもたらすでしょう。それは、金融機関自身のポートフォリオ管理に寄与するだけでなく、エンゲージメントの強化や新たな金融プロダクツの提供という形で、投融資先企業の取り組みを支援することにもつながることが期待されます。
PROJECT
プロジェクト概要
PROJECT OVERVIEW
本事業は、内閣府が推進する「研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」における対象施策「金融/投資機関による自然関連情報開示促進と国際標準化を前提としたネイチャーフットプリントの開発と実証事業」として、2024年10月に始動しました。
気候変動や生物多様性の損失といった環境問題は、人間の経済活動が自然環境に負荷をかけていることがひとつの大きな要因となっています。世界では環境・社会・ガバナンスの3つの視点(ESG)を重視する投資家が増加し、グローバル企業は環境負荷の削減努力や、その開示を求められています。このような状況下において、ネイチャーフットプリントは、企業活動における自然への影響を定量的に評価し、開示するための重要な指標として注目を浴びています。
しかし、EUなどで広く用いられている環境問題に関わる評価指標では、これらの自然への影響評価は限定的なものに留まり、生物多様性の影響評価や生態系サービスの経済的評価は個別に実施され、それらを統合したモデルは存在しませんでした。そこで本事業では、テーマ1「LIMEを拡張したネイチャーフットプリント用影響評価手法の開発」(代表機関:早稲田大学、研究開発責任者:理工学術院教授 伊坪徳宏)と、テーマ2「ネイチャーフットプリントを用いた金融/投資機関における活用のための実証事業」(代表機関:株式会社価値総合研究所、研究開発責任者:山崎清)が連携し、大学・研究機関が中心となって、国際的に環境影響を解析する手法の1つであるLIME3(Life cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling 3)を発展させ、ネイチャーフットプリントの影響評価手法を開発します。
LIME3に新たな生物種のリスク評価や生態系サービスの経済的価値評価などを取り入れることで、統合化されたモデルの確立を目指すとともに、開発した手法は、金融機関、事業会社、コンサルティングファーム等が連携しながら活用方法を実証し、その有用性を世界に向けて発信していきます。
OUR RESEARCH
本研究では、LCAの影響評価手法の一つであるLIME(Life cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling)を発展させたネイチャーフットプリントの影響評価手法を開発します。
具体的には、以下に注目した研究を行います。
(1)質と量の双方を評価:従来のLCA評価では、生物多様性が重視されてきましたが、これに加えて生態系サービス(自然がもたらす恵み)に関する評価手法を構築します。
(2)網羅性と地域解像度の向上:気候変動や土地利用、環境汚染といった多岐にわたる影響領域を対象とし、陸域生態系に加えて水域生態系も評価範囲に含めます。それとともに、土地利用や資源採掘といった、地域によって影響が異なる領域については、より高解像度の評価係数を開発します。
(3)経済評価手法の開発:金融機関や事業会社にとってより解釈、活用しやすい経済評価手法を開発することで、経営戦略の策定を支援する指標を提供します。
(4)利用性の向上:開発した評価手法は、国内外で広く使用されているLCAのソフトウェアに標準実装することで、LCAの実務者が簡単に利用できるようにします。
本研究で開発する評価手法は、企業が自然関連の情報開示を行う際や、金融機関が投資判断を行う際に役立つことが期待されます。さらに、これらの成果をガイドラインとしてまとめ、国際的な会議等で発表することで、世界中で広く活用されるように働きかけていきます。
TEAM
研究体制
THEME 1
テーマ1:LIMEを拡張したネイチャーフットプリント用影響評価手法の開発
THEME 2
テーマ2:ネイチャーフットプリントを用いた金融/投資機関における活用のための実証事業
代表機関
株式会社価値総合研究所
参画機関
政策研究大学院大学 / 株式会社日建設計 / 株式会社日建設計総合研究所 / 味の素株式会社 / トヨタ自動車株式会社 / 積水化学工業株式会社 / 住友林業株式会社 /
株式会社資生堂 / AGC株式会社 / JX金属株式会社 / 太平洋セメント株式会社 / パナソニックホールディングス株式会社 / 日本電気株式会社 /
農林中央金庫 /MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社 / 三菱UFJ信託銀行 / 三井住友銀行 / 静岡銀行 / 常陽銀行 /
株式会社LCAエキスパートセンター / 一般社団法人サステナブル経営推進機構 / TCO2株式会社 / MS&ADインターリスク総研株式会社
ACHIEVEMENTS
研究業績
準備中